この記事の要点: 日置電機株式会社は、横浜国立大学の赤津観教授との共同研究による論文が、パワーエレクトロニクスの国際学会「IPEC-Nagasaki 2026」において「Best Paper Award 2nd Prize」を受賞したと発表しました。本研究は、EVなどのモーター駆動システムで課題となる高周波帯域の電力損失「リンギング損失」の解析モデルを提案したもので、実測検証によりその妥当性が証明されました。
発表内容のポイント
- 次世代半導体採用に伴う高周波の「リンギング損失」を予測する解析モデルを提案
- 実測データとシミュレーションが一致し、設計段階での損失予測が可能に
- 広帯域・高精度な電力計測技術の重要性を示し、開発の手戻り削減に貢献
発表の背景
EVなどのモーター駆動システムでは高効率化が求められており、SiCなどの次世代パワー半導体を用いたインバーターの採用が進んでいます。しかし、高速スイッチング動作に伴い、高周波発振による「リンギング損失」が増加するという課題が生じていました。この損失は高周波かつ低力率な成分であるため、従来の評価技術では正確な把握や設計への反映が困難でした。
何が発表されたのか
受賞した論文では、ケーブルやモーターの寄生インダクタンス、寄生容量を考慮した新しい解析モデルを構築しました。これにより、リンギング損失がモーターの寄生容量やインバーターのスイッチング周波数、DCバス電圧の2乗に比例して増加することを実証しています。モデルの検証には、同社のパワーアナライザ「PW8001」などの広帯域計測ソリューションが用いられ、実測値とシミュレーション結果が高い精度で一致することを確認しました。
製造業・生産管理への見方
モーターやインバーターの開発・製造に携わる設計・生産技術部門にとって、試作後の手戻り削減は重要な課題です。本研究成果により、設計の初期段階で高周波帯域の電力損失を予測・評価できるようになるため、開発期間の短縮と試作コストの低減が期待できます。また、次世代パワーエレクトロニクス機器の性能評価において、広帯域かつ位相確度に優れた電力測定システムを導入するための技術的な指針となります。
現場で確認したいポイント
- 自社のモーター・インバーター開発において、高周波損失の予測手法が確立されているか
- 高速スイッチングに伴う損失評価に対応できる広帯域な電力計測器が配備されているか
- 試作段階での手戻り発生率や、それに伴う開発コストのロスを把握できているか
確認しておきたい点
本発表は解析モデルの提案と計測器を用いた妥当性の検証に関するものであり、特定の顧客への導入実績や具体的な削減コストの数値効果については言及されていません。
関連リンク
- 発表企業サイト:日置電機株式会社の公式ウェブサイトです。
- 発表企業のPR TIMESページ:日置電機のプレスリリース一覧が確認できます。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 日置電機株式会社 |
| 発表日時 | 2026-08-24 11:30:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |