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米国立研究所が連携、大型圧力容器のワイヤーアーク3Dプリンティング技術を開発

米国のオークリッジ国立研究所とアイダホ国立研究所が、原子力産業向け大型圧力容器のワイヤーアーク3Dプリンティング技術開発で連携。国内サプライチェーンの強化を目指します。

生産現場のシステムNAVI編集部
米国立研究所が連携、大型圧力容器のワイヤーアーク3Dプリンティング技術を開発

この記事の要点: 米国のオークリッジ国立研究所(ORNL)とアイダホ国立研究所(INL)は、産業用大型圧力容器の国内サプライチェーン拡大に向けた共同研究を発表しました。過酷な環境に耐える大型部品をワイヤーアーク3Dプリンティング技術(WAAM)で製造可能にすることで、従来の鍛造による供給制限を解消し、米国内のクリーンエネルギーおよび原子力製造能力の急速な拡大を支援します。

ニュースのポイント

  • 鍛造に代わる選択肢としてワイヤーアーク3Dプリンティング技術を活用
  • AIとデジタルエンジニアリングを融合し、造形中のリアルタイム品質評価を目指す
  • 化学、石油・ガス、防衛、航空宇宙など、他産業の大型金属部品への応用も視野

背景

産業用圧力容器は極限状態での動作に耐える高い靭性と構造的完全性が求められ、従来は鍛造によって製造されてきました。しかし、米国が原子力エネルギーの拡大を急ぐ中で、国内の鍛造能力の限界がサプライチェーン上の課題となっています。この課題を解決するため、金属ワイヤーをアーク放電で溶融して積層する3Dプリンティング技術が、新たな製造手段として注目されています。

何が起きたのか

今回の連携では、ORNLの積層造形技術と、INLの原子力材料およびAI・データサイエンスの知見を融合させます。すでにORNLの「MedUSA」プラットフォーム(3台のロボットアームを協調させて金属ワイヤーを溶融・積層するシステム)を用い、原子力用途に適したスチール合金による小型圧力容器(約3フィート×5フィート)の試作に成功しました。現在は、造形中に得られるデータから製品の形状や材料特性を検証し、事後の破壊検査などを経ずに品質を保証する「born-qualified(造形時適格性評価)」プロセスの確立に向けて、AIを活用したデジタルツールの開発を進めています。

製造業・生産管理への見方

大型金属部品の製造において、従来の鍛造プロセスはリードタイムや調達先の制限が大きなボトルネックとなっていました。本プロジェクトが目指す「造形と同時にリアルタイムで品質を評価・保証する技術」が実現すれば、製造後の検査工程を大幅に短縮し、規格適合プロセスを簡素化できます。これは、厳しい品質基準が求められる原子力分野だけでなく、化学プラント、石油・ガス、防衛、航空宇宙といった、高信頼性が要求される大型構造部材を扱う製造業全般の生産管理やリードタイム短縮に大きな影響を与える可能性があります。

現場で確認したいポイント

  • 自社製品や調達部品において、鍛造から金属3Dプリンタ(WAAM等)への代替可能性の有無
  • 積層造形部品の品質保証プロセスにおける、リアルタイム監視技術の適用可能性
  • 大型金属3Dプリンタの導入に伴う、材料調達やロボット制御技術の確保状況

確認しておきたい点

本技術は研究開発および実証段階にあり、実際の商業原子力プラントや規制の厳しい産業分野で正式に採用されるには、さらなる規格適合評価や長期的な耐久性試験のクリアが必要です。

出典情報

出典 AZoM
公開日時 2026-08-22T01:42:00-04:00
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