この記事の要点: 韓国のLGエナジーソリューション(LGES)は、米国ミシガン州ランシングの新しい製造拠点でバッテリーの生産を開始しました。この新工場は、電力貯蔵システム(ESS)および電気自動車(EV)向けの大型リチウムイオン電池を製造し、年間生産能力は35GWh以上を目指しています。同社は北米における生産体制を急速に拡大しており、今回の稼働により北米市場への供給力を大幅に強化します。
ニュースのポイント
- ミシガン州ランシングの新工場が稼働し、年間35GWh以上の生産能力を目指す
- ESS向けのLFP電池セルと、トヨタのEV向け高エネルギー密度NMCセルを生産
- 2026年末までに北米全体で50GWh以上のLFPセル生産能力を計画
背景
ランシングの製造拠点は、もともとLGESとゼネラルモーターズ(GM)のEV向け合弁工場として建設が進められていました。しかし、2025年初頭にGMが保有株式をLGESに売却したことで、ほぼ完成していた工場はLGESの単独所有へと移行しました。同社は2022年以降、この施設に20億ドル以上を投資しており、現在は約900人の従業員を擁しています。フル稼働時には雇用を1,700人まで拡大する計画です。
何が起きたのか
新工場では、用途に合わせて異なる化学組成のバッテリーセルを生産します。ESS向けにはリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーセルを製造し、同社の米国エネルギー貯蔵部門であるLGエナジーソリューション・バーテックが、電力網や産業用途向けのシステムに統合します。一方、EV向けには、エネルギー密度が高いニッケル・マンガン・コバルト(NMC)セルを生産します。このNMCセルは、ケンタッキー州にあるトヨタの車両組立工場(TMMK)で生産されるEVに搭載される予定です。
製造業・生産管理への見方
本件は、北米におけるバッテリーサプライチェーンの現地化が急速に進んでいることを示しています。LGESはミシガン州ホーランドの既存工場に加え、今回のランシング工場の稼働により同州で2つの拠点を運営することになります。さらに、オハイオ州やテネシー州などの合弁工場を含め、2026年末までに北米全体で50GWh以上のLFPセル生産能力を確保する計画です。これにより、同社のグローバルなESS生産能力の80%が今年末までに北米に集中することになり、地政学的リスクの低減と現地調達率の向上を目指す製造業の動向を象徴しています。
現場で確認したいポイント
- 北米市場における主要なバッテリーセルメーカーの現地生産能力と供給安定性
- LFP(リン酸鉄リチウム)とNMC(三元系)の用途に応じた調達戦略の策定
- 合弁解消や単独所有への移行に伴う、サプライヤーの資本関係や供給先の変化
確認しておきたい点
本工場はもともとGMとの合弁事業としてスタートしたものの、GMの持分売却によりLGESの単独所有となった経緯があります。主要顧客がトヨタや自社ESS部門へシフトしている点など、供給先企業の変更に伴う生産計画への影響に留意する必要があります。
出典情報
| 出典 | Solar Power World |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-08-18T16:31:36+00:00 |
| 元記事 | Solar Power Worldで読む |