この記事の要点: 株式会社アトラックラボは、NVIDIAのコンパクトなAIスーパーコンピューター「NVIDIA DGX Spark」上で、自社開発のAI自律制御システム「AT-SYNAPSE」を稼働させるローカルLLM(大規模言語モデル)/VLM(視覚言語モデル)環境を構築し、動作検証を実施しました。これにより、外部のクラウドやインターネット接続に依存せず、現場内で映像認識から行動判断までを完結できる「オフライン対応フィジカルAI」の実現を目指します。
発表内容のポイント
- NVIDIA DGX Spark上でローカルLLM/VLMを稼働させ、オフラインでのAI処理を実現
- RealSenseカメラのRGB画像と深度情報を統合し、対象物の認識や距離把握が可能に
- 計画・推論処理で毎秒64.3トークン、VLMによる対象物特定を約4.5秒で実行
発表の背景
建設現場や山間部、地下施設、さらには機密情報を扱う工場や研究施設などでは、通信環境の不安定さやセキュリティ上の懸念から、映像や現場データを外部のクラウドAIへ送信することが困難でした。このような制約を解消するため、アトラックラボは通常運用時の推論処理を完全にローカル環境で完結させ、外部通信に依存しない自律制御システムの開発と検証を進めてきました。
何が発表されたのか
今回の検証では、実行基盤に「Ollama」を採用し、モデルには「Qwen3.6 35B-A3B」を使用しました。ロボットとNVIDIA DGX SparkをROS 2およびMCP(Model Context Protocol)で接続。カメラから取得したRGB画像と深度情報を統合して周囲の状況を理解し、対象物までの距離把握や障害物の特定、行動計画の策定をローカルで実行します。処理内容は「AT-SYNAPSE Web Console」にリアルタイム表示され、ロボットの判断理由を可視化できます。
製造業・生産管理への見方
製造業の工場や物流倉庫においては、機密情報の漏洩防止や、通信遅延によるライン停止リスクの回避が極めて重要です。本システムは、外部サーバーとのデータ送受信を行わないため、情報セキュリティを担保しつつ、通信混雑による遅延のない安定した応答性能を設計しやすくなります。また、クラウドAIのAPI利用料が発生しないため、稼働頻度の高い搬送・巡回ロボット(AGV/AMR)の運用コスト予測が容易になる点も、生産管理やDX推進の観点から大きなメリットです。
現場で確認したいポイント
- 自社の工場・倉庫内の通信環境で、ローカルAIによる自律制御がどの程度必要とされるか
- 既存の搬送ロボットや制御システム(ROS 2等)との連携性や、導入に必要なハードウェア構成
- 対象とするワークや障害物の認識精度が、実際の現場運用に耐えうるレベルかどうかの検証計画
確認しておきたい点
本発表における処理速度や認識時間の数値は、アトラックラボの検証環境における測定結果であり、実際の導入環境、モデルの設定、量子化方式、プロンプトなどによって変動する可能性があります。
関連リンク
- アトラックラボ 公式サイト:株式会社アトラックラボの企業情報や事業内容を紹介するサイト。
- アトラックラボ PR TIMES:アトラックラボのプレスリリース一覧ページ。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社アトラックラボ |
| 発表日時 | 2026-08-14 10:08:06 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |