この記事の要点: 全米製造業者協会(NAM)の理事長であり、ロックウェル・オートメーションの会長兼CEOであるブレイク・モレット氏が、デジタル技術と製造革新に関するカンファレンス「Rethink」に登壇しました。同氏は、パンデミックによるサプライチェーンの混乱が製造業のレジリエンス強化と技術導入を加速させたと指摘し、今後の製造現場におけるAI活用の方向性について見解を示しました。
ニュースのポイント
- パンデミックを契機にシミュレーションや遠隔アクセスなどの技術導入が急速に加速
- AIの最大のメリットは、システムの設計・試運転・運用・保守の「簡素化」にある
- 社内にAIセンター・オブ・エクセレンスを設立し、機密情報保護と効率的活用を両立
背景
新型コロナウイルス感染症の流行に伴うサプライチェーンの混乱は、製造業にレジリエンス(回復力)計画の見直しを余儀なくさせました。かつては投資優先度が低かった冗長性やレジリエンスへの投資が、パンデミックを契機に不可欠なものとして認識されるようになり、米国国内での物理的な工場建設や、デジタル技術の採用ペースを劇的に引き上げる結果となりました。
何が起きたのか
モレット氏によると、パンデミック期にはシミュレーションやリモートアクセスといった既存技術の活用が本格化し、その経験が現在の技術導入の加速につながっています。また、同社が注力するAI活用においては、プロセスの簡素化と迅速化を重視しています。AIは、システムの設計、試運転、運用、保守というプロジェクトライフサイクル全体の各フェーズにおいて、複雑なプロセスをシンプルにするという大きな変革をもたらすと予測しています。
製造業・生産管理への見方
日本の製造現場においても、人手不足やサプライチェーンの不安定化への対策としてDXやAIの導入が急務となっています。本記事で示された「AIによるプロセスの簡素化」という視点は、高度化・複雑化する生産ラインの設計や保守において、現場の負担を軽減するための重要な指針となります。また、社内に専門組織(センター・オブ・エクセレンス)を設けて情報セキュリティを担保しながらAIを推進する体制づくりは、製造DXを進める上で大いに参考になります。
現場で確認したいポイント
- 自社の生産システム設計や保守業務において、AIで簡素化できるプロセスがあるか
- 遠隔アクセスやシミュレーション技術を、有事のレジリエンス向上に活用できているか
- 現場でAIを活用する際、機密情報の保護やセキュリティに関する社内体制は整っているか
確認しておきたい点
本記事は米国市場の動向やロックウェル・オートメーション社の事例に基づいた見解であり、具体的なAIツールの導入効果やコストパフォーマンスについては、各工場の設備環境や要件に応じて個別に検証する必要があります。
出典情報
| 出典 | NAM |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-14T21:58:01+00:00 |
| 元記事 | NAMで読む |