この記事の要点: 韓国経済人協会(FKI)と韓国政府は、製造業に依存してきた国家成長戦略を転換し、サービス産業を新たな柱として育成するための「サービス産業発展基本法」の早期制定を提唱しました。2026年7月6日に開催された合同会議において、製造業とサービス業の融合や、AIを活用した新たな商取引市場の開拓など、産業全体の競争力を高めるための具体的な方針と20の政策課題が提示されました。
ニュースのポイント
- 製造業と並ぶ国家成長の柱としてサービス産業を育成する基本法の制定を提唱
- 製造業とサービス業、またはサービス業同士の融合による高付加価値化を推進
- AIエージェントを活用した自律的な購買・決済市場など新技術の導入を支援
背景
韓国経済においてサービス産業は国内雇用の70%、付加価値の60%を占めているものの、これまでは製造業中心の成長モデルが主流でした。1970年代に重化学工業の振興が製造業の基盤を作ったように、現在はサービス産業の飛躍に向けた制度的基盤が必要とされています。特に製造業とサービス業の境界が曖昧になる中、従来の規制枠組みを見直す必要性が高まっています。
何が起きたのか
合同会議では、韓国経済人協会の柳津(リュ・ジン)会長や企画財政部の具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼長官らが登壇し、サービス産業の競争力強化に向けた議論が行われました。具副首相は、産業間の障壁を取り除き、研究開発(R&D)や税制、金融面での支援を行うために基本法の制定が急務であると強調。さらに、AIが自律的に比較・注文・決済まで行う「AIエージェント・コマース」市場で主導権を握るため、規制緩和を迅速に進める方針を示しました。韓国産業経緯研究院(KIET)の権南昏(クォン・ナムフン)院長は、輸出促進、内需の高付加価値化、新規サービス革新の3大戦略を提示しました。
製造業・生産管理への見方
日本の製造業にとっても、モノ(製品)の提供からコト(サービス)の提供へとシフトする「サービタイゼーション」は重要な課題です。韓国のこの動きは、製造業単体での競争力維持が難しくなる中、製造プロセスや製品にサービスやAI技術をいかに融合させて付加価値を生み出すかという先進的な事例を示しています。特に、物流の効率化や非対面配送の標準契約改善など、サプライチェーンに直結する提案も含まれており、製造業のバリューチェーン全体に影響を与える可能性があります。
現場で確認したいポイント
- 自社製品に付随するサービス事業(保守・運用支援など)の収益化モデルがあるか
- 製造プロセスや物流管理において、AIや自動化技術を導入できる領域があるか
- 製造業とサービス業の融合を阻害する社内ルールや法的規制が障壁になっていないか
確認しておきたい点
本記事で言及されている「サービス産業発展基本法」の制定や各種規制緩和策は提案段階であり、具体的な法案の成立時期や詳細な支援内容、日本企業への直接的な影響については今後の動向を注視する必要があります。
出典情報
| 出典 | The Asia Business Daily |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-06T09:00:00+09:00 |
| 元記事 | The Asia Business Dailyで読む |