この記事の要点: 米国経済における製造業の存在感は地域によって大きく異なります。米国経済分析局(BEA)の2025年データによると、インディアナ州は州内総生産(GDP)の24.0%を製造業から創出しており、全米で最も製造業への依存度が高い州となっています。中西部地域を中心に製造業は依然として地域経済の強固な基盤であり、近年の国内回帰(リショアリング)や新規投資によって新たな局面を迎えています。
ニュースのポイント
- インディアナ州がGDPの24%を製造業から創出し、全米トップの産業集積地として君臨
- 五大湖周辺の中西部諸州が軒並みGDP比10%を超え、米国最大の工業地帯を形成
- 半導体やEV、バッテリー分野への新規投資と国内回帰が、製造業復活の呼び水に
背景
かつて米国の中西部は「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれ、中国やメキシコ、東南アジアなどの低コスト市場への生産拠点の移転や工場閉鎖に苦しんできました。しかし、2025年の最新データが示すように、中西部は依然として自動車、機械、食品加工、金属、化学などの産業が集積する米国最大の産業回廊としての役割を維持しています。
何が起きたのか
全米首位のインディアナ州は、自動車、鉄鋼、医薬品など多岐にわたる製造分野を擁しています。特に同州北西部は北米最大級の製鉄所や製油所が集まるエリアであり、1975年以来、全米トップの鉄鋼生産量を誇り、国内シェアの4分の1以上を占めています。また、2位のルイジアナ州(17.3%)、3位のケンタッキー州(15.9%)が続き、ミシガン州(15.6%)やウィスコンシン州(15.6%)といった中西部の州が上位を占めています。ミシガン州にはフォードやGMなどの自動車大手が拠点を置き、ウィスコンシン州では労働人口の10人以上に1人が製造業に従事しています。
製造業・生産管理への見方
日本の製造業やサプライチェーン管理の視点からも、米国内の生産拠点の選定や調達ネットワークの再構築において、これらの産業集積状況は極めて重要な指標となります。近年、米国では半導体、電気自動車(EV)、車載バッテリー分野での巨額投資や、製造業の国内回帰(リショアリング)政策が推進されています。雇用規模自体は歴史的なピークを下回るものの、特定の州や地域における製造業の重要性は高まっており、現地サプライヤーとの連携や物流網の最適化を検討する上で、中西部や南部といった産業集積地の動向を注視する必要があります。
現場で確認したいポイント
- 北米展開におけるサプライチェーン構築で、インディアナ州やミシガン州などの集積メリットを評価できているか
- EVやバッテリー、半導体関連の投資動向が、既存の部品調達や物流ルートに与える影響を把握しているか
- 米国内の地域ごとの製造業比率や労働力確保の難易度を、拠点計画に反映できているか
確認しておきたい点
本データは2025年の米国経済分析局(BEA)の統計に基づいています。製造業のGDP比率は高いものの、過去数十年の自動化やアウトソーシングの影響により、製造業の雇用者数自体は歴史的なピーク時よりも大幅に減少している点に留意する必要があります。
出典情報
| 出典 | Visual Capitalist |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-04T05:04:23-07:00 |
| 元記事 | Visual Capitalistで読む |