海外製造業ニュース

韓国モジュール住宅、自動化と生産管理システム連携で工数最大6割削減へ

韓国で工期を30%短縮できるモジュール住宅が注目されています。自動化ラインの導入や生産管理システムの連携により、現場の作業負担を大幅に軽減する取り組みが進んでいます。

生産現場のシステムNAVI編集部
韓国モジュール住宅、自動化と生産管理システム連携で工数最大6割削減へのアイキャッチ画像

この記事の要点: 韓国の住宅建設分野において、工場で部材を製造して現地で組み立てる「モジュール住宅」が、工期短縮と品質安定化の切り札として注目を集めています。従来のRC(鉄筋コンクリート)工法に比べて工期を約30%短縮できる一方、コスト高が課題となっています。こうした中、製造現場では生産管理システムとの連携や自動化ラインの導入により、工数を大幅に削減して生産性を高める技術革新が始まっています。

ニュースのポイント

  • 自動化ラインの導入により、工場の人員を従来比で51%削減可能に
  • リアルタイムの養生温度測定と生産管理システムの連携で、工数を34〜60%削減
  • 標準化の遅れによるコスト高が課題。量産化に向けた安定的な受注確保が不可欠

背景

韓国では新築マンションの竣工戸数が前年同期比で約半減し、住宅供給不足が懸念されています。この解決策として、工場生産により天候などの不確定要素を排除し、工期を約30%短縮できるモジュール工法に期待が寄せられています。サムスン物産や現代建設などの大手建設会社に加え、サムスン電子やLG電子といった家電・IT企業もこの市場への参入を本格化させています。

何が起きたのか

モジュール住宅の専門企業であるNRB社(全北特別自治道群山市)は、プレキャストコンクリート(PC)部材の生産工程を従来の「手作業」から「自動化ライン」へと転換を進めています。これにより工場人員を51%削減できる見込みです。さらに、コンクリートの養生温度をリアルタイムで測定し、生産管理システム(PMS)と連動させることで、関連する作業工数を34〜60%削減する計画です。しかし、現状はプロジェクトごとに設計が異なるため、都度金型を製作する必要があり、従来工法よりコストが約30%高くなっています。

製造業・生産管理への見方

本件は、建設の「工場生産化(オフサイト建設:OSC)」における生産管理とプロセス自動化の重要性を示しています。モジュール住宅は、製造業における「多品種少量生産」から「見込み量産」への移行期に似た課題を抱えています。工場稼働率を安定させ、設備投資を回収するためには、設計の標準化と、それに対応する生産管理システムの構築が不可欠です。製造業の生産管理手法やIoT技術(温度のリアルタイム監視など)を建設分野へ応用する好例と言えます。

現場で確認したいポイント

  • 工場生産と現地組み立てを同期させるための、サプライチェーン管理体制の構築状況
  • 多品種対応に伴う金型や段取り替えコストを抑制する、設計の標準化プロセスの有無
  • IoTセンサーデータと生産管理システムを連携させ、工程の進捗をリアルタイムに把握する仕組み

確認しておきたい点

韓国政府は2030年までに1万6000戸以上の公営モジュール住宅を供給する目標を掲げていますが、関連法案の審議や公的発注の告示が遅れており、民間企業が設備投資に踏み切りにくい状況が続いています。

出典情報

出典 The Asia Business Daily
公開日時 2026-07-05T06:00:00+09:00
元記事 The Asia Business Dailyで読む

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です