この記事の要点: 産業ガス大手のメッサー(Messer)は、IT・ネットワークサービスプロバイダーのNECと提携し、ブラジルにおける事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させています。この取り組みは、同社が掲げる「インダストリー4.0」戦略の一環であり、デジタルインフラの強化を通じて、よりスマートでコネクテッドな自動化された生産施設の構築を目指すものです。
ニュースのポイント
- NECとの提携により、ブラジル国内の産業ネットワーク刷新とWi-Fi拡張、セキュリティ強化を推進
- サンパウロ州のジュンジアイ工場で、ガスシリンダーの製造から配送までを追跡するデジタルプラットフォームを導入
- ゼロトラストセキュリティ原則に基づくネットワークアクセス制御を導入し、接続された産業システムを保護
背景
メッサーは過去3年間にわたり、NECの協力を得てブラジル国内の産業ネットワークの近代化を進めてきました。これにより、自動化の促進やデータ駆動型の意思決定を行うための基盤を構築しています。今回の取り組みは、製造、物流、生産管理のデジタル化を推進するメッサーグループ全体の広範な戦略を反映したものです。
何が起きたのか
今回のプロジェクトでは、ブラジル最大規模の拠点であるサンパウロ州ジュンジアイ工場などでアップグレードが実施されました。導入されたデジタルプラットフォーム「Balcão」は、ガスシリンダーの製造から顧客への配送までを追跡するシステムです。これにより、従来の紙ベースの記録が廃止され、シリンダーの紛失や記録ミスのリスクが低減し、業務効率が向上しました。また、デジタルツールの活用拡大に伴い、ゼロトラストセキュリティ原則に基づくネットワークアクセス制御も強化されています。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の観点において、本事例は物理的な製品(ガスシリンダー)の製造から物流にわたるサプライチェーン全体のトレーサビリティ確保と、それを支えるセキュアなインフラ構築の重要性を示しています。メッサーでは、カッティングシステム部門を通じて、コスト管理、材料トレーサビリティ、資源効率の向上を目指すインダストリー4.0向けソフトウェアも開発しています。これには、切断機と業務プロセスを統合し、リアルタイムの生産データやスケジューリング、在庫最適化を提供するシステムが含まれており、現場主導のDXを進める上で参考になるアプローチです。
現場で確認したいポイント
- 自社の製造現場において、ペーパーレス化によるトレーサビリティ向上と誤記防止の余地があるか
- 現場のデジタル化やIoT機器の導入拡大に伴い、産業ネットワークのセキュリティ対策(ゼロトラスト等)が十分か
- 生産設備と基幹システムを連携させ、リアルタイムな在庫状況や稼働データを現場にフィードバックできているか
確認しておきたい点
本記事に記載されているデジタル化の成果やセキュリティ対策の効果は、ブラジル国内の特定拠点(ジュンジアイ工場など)における事例であり、メッサーグループ全体のすべての工場に同様のシステムが均一に導入・完了しているわけではありません。
出典情報
| 出典 | gasworld |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-03T11:47:47+00:00 |
| 元記事 | gasworldで読む |