この記事の要点: 株式会社三菱総合研究所は、国内の売上高100億円以上の民間企業に勤務する1,000名を対象に実施した「DX推進状況調査」の結果を公表しました。5回目となる今回の調査では、生成AIやAIエージェントの活用が企業の経営や業務プロセスに与える影響を分析しています。調査結果からは、DXの取り組みが実践フェーズへ移行しつつあるものの、主要業務へのAIの深い組み込みや、創出した余力の成長領域への再配分には依然として高い壁がある実態が浮き彫りになりました。
発表内容のポイント
- ビジネス変革段階の企業が40.2%に達し、デジタライゼーション段階を初めて超過
- 75.9%がAIファーストを検討する一方、主要業務へ深く組み込む企業は10.1%
- AI活用による余力を成長領域へ振り向ける「リソース再配分」の実行層は6.8%
発表の背景
2021年の調査開始以来、初めて「ビジネス変革段階」の企業割合が「デジタライゼーション段階」を上回りました。この変化の背景には、生成AIなどの活用が個人の作業支援にとどまらず、業務や組織全体の再設計に及び始めている状況があります。同社は、AI活用を前提に業務や組織を再設計する「AIファースト」の視点から、日本企業のDXの現在地と課題を整理するために本調査を実施しました。
何が発表されたのか
調査によると、AIファーストの検討を開始している企業は7割を超え、多くの企業が2026年末から2028年末までに財務成果の実現を目指しています。しかし、全社標準として主要業務やサービスにAIを深く組み込めている「AIファースト実現」層は1割程度にとどまるのが現状です。また、AI導入によって生み出された資金や人材、時間などのリソースを、新規事業や成長領域へ実際に再配分できている企業はわずか6.8%であり、計画はあっても実行に移せていない企業が36.9%に上ることが分かりました。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の現場において、DXは単なる帳票のデジタル化(デジタライゼーション)から、生産プロセスの抜本的な見直しやビジネスモデルの変革へとシフトしつつあります。本調査が示す「主要業務へのAIの組み込み」や「リソース再配分」の遅れは、製造現場におけるDX推進にも共通する課題です。属人化しやすい生産管理業務や熟練工のノウハウ継承において、AIを活用した業務再設計を進めるとともに、それによって生じた現場の余剰人員や時間を、いかに高付加価値な次世代ものづくり領域へシフトさせるかが、今後の競争力を左右する重要な鍵となります。
現場で確認したいポイント
- 自社の生産現場や管理部門におけるAI活用は、個別最適の作業支援にとどまっていないか
- AI導入やデジタル化によって創出された現場の余力時間を、次の成長業務に再配分できているか
- 経営・業務・組織・基盤の4つの観点を連動させ、工場全体の業務再設計を描けているか
確認しておきたい点
本調査は売上高100億円以上の国内民間企業を対象としており、中堅・中小規模の製造現場にそのままあてはまらない可能性があります。また、製造業に特化した詳細なクロス集計データや具体的な現場事例については、レポート本編や関連イベントでの確認が必要です。
関連リンク
- 発表企業サイト:株式会社三菱総合研究所の公式ホームページです。
- 関連ページ:本調査結果に関する三菱総合研究所のプレスリリース詳細ページです。
- 発表企業のPR TIMESページ
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社三菱総合研究所 |
| 発表日時 | 2026-06-29 14:00:02 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |