この記事の要点: 医薬品業界において、従来のバッチ生産から連続生産(CM)への移行が進みつつあります。米国食品医薬品局(FDA)の「新技術プログラム(Emerging Technology Program)」において、連続生産は他の革新技術を抑えて最も多くのプロジェクトが採択され、承認実績でも首位を独走しています。規制当局との早期連携が、製造技術の社会実装を加速させている実態が浮き彫りになりました。
ニュースのポイント
- 連続生産(CM)がFDAの新技術プログラムで累計72件採択され、他技術を圧倒
- 同プログラム発足から2025年12月までに、連続生産を用いた承認申請は17件に到達
- 固形製剤の連続直接打錠(CDC)技術は、すでにプログラムを「卒業」し標準審査へ移行
背景
医薬品製造は歴史的にバッチ生産が主流ですが、技術的・規制上の課題から新技術の導入には慎重でした。この課題を解決するため、米FDAは2014年に「新技術プログラム」を立ち上げました。これは、企業が正式な申請を行う前に規制当局と技術的・規制上の課題を協議・解決できる共同プログラムであり、新技術の導入に伴う審査遅延の懸念を解消することを目的としています。
何が起きたのか
2026年5月に開催されたFDAの年次会議にて、連続生産の進捗状況が報告されました。2025年12月までの累計で、同プログラムに採択された技術のうち連続生産は72件と最多で、2位の新規単位操作(27件)を大きく引き離しています。さらに、実際の規制承認に至った件数でも連続生産は17件でトップです。また、固形製剤分野の「連続直接打錠(CDC)」技術は、知見の蓄積に伴い2021年に同プログラムを「卒業」し、現在は通常の審査プロセスへと移行しています。
製造業・生産管理への見方
プロセス製造において、バッチ生産から連続生産への移行は、品質の安定化、リードタイム短縮、在庫削減、省スペース化など多くのメリットをもたらします。医薬品のような厳格な規制下にある業界において、規制当局が主導して連続生産の導入ハードルを下げている動きは、他産業の製造DXやプロセス革新にとっても重要な先行事例です。さらにFDAは、原材料から最終製品までを一貫して処理する「エンド・ツー・エンドの連続生産」の規制枠組み構築(FRAMEイニシアチブ)にも着手しています。
現場で確認したいポイント
- 自社の生産プロセスにおいて、バッチ式から連続生産へ移行可能な工程があるか
- 連続生産の導入にあたり、業界の規制当局が提供する早期相談制度や支援枠組みがあるか
- 連続生産に必要なリアルタイム品質モニタリングや制御技術の導入体制が整っているか
確認しておきたい点
本記事の情報は米国FDAのプログラムに基づくものであり、日本国内の医薬品製造や他産業における規制適用については、それぞれの国の規制当局の基準を確認する必要があります。
出典情報
| 出典 | DCAT Value Chain Insights |
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| 公開日時 | 2026-06-25T22:31:00+00:00 |
| 元記事 | DCAT Value Chain Insightsで読む |