トルコ製造業の景況感、PMIは依然50割れも改善の兆し

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トルコの製造業購買担当者景気指数(PMI)は、2024年1月も好不況の分かれ目である50を下回り、7ヶ月連続の景気縮小を示しました。しかし、生産や新規受注の減少ペースは鈍化しており、雇用は増加を続けるなど、複雑ながらも一部に明るい兆候が見られます。

PMIは改善するも、依然として景気縮小局面に

S&Pグローバルが発表した2024年1月のトルコ製造業PMIは49.2となり、前月の47.4から改善したものの、依然として好不況の判断の目安である50.0を下回りました。これで7ヶ月連続の景気縮小局面となります。PMIは企業の購買担当者へのアンケートを基に算出され、生産、新規受注、雇用、サプライヤーの納期、購買品在庫の5つの項目から構成される、製造業の景況感を測る重要な先行指標です。今回の結果は、トルコの製造業が依然として厳しい事業環境にあることを示しています。

生産・需要は減少続くも、ペースは鈍化

PMIの内訳を見ると、生産量と新規受注は1月も減少しました。主な要因は、高インフレが顧客の購買意欲を抑制していることにあると分析されています。海外からの新規受注も同様に減少傾向が続いています。しかし、注目すべきは、生産・新規受注ともに減少のペースが2023年6月以来、最も緩やかになった点です。需要の弱さは依然として大きな課題ですが、底打ちの兆候とも捉えられるかもしれません。欧州へのゲートウェイでもあるトルコの需要動向は、関連するサプライチェーンを持つ日本の企業にとっても注視すべき点です。

先行きの期待から雇用は4ヶ月連続で増加

生産が減少している状況とは対照的に、雇用は4ヶ月連続で増加しました。これは、多くの企業が将来の需要回復を見越し、生産能力を維持・拡大するために人員を確保しようとしている動きの表れと考えられます。目先の受注状況だけでなく、中長期的な視点で事業計画を立て、人材という重要な経営資源を確保する姿勢は、人手不足が深刻な課題となっている日本の製造業にとっても参考になる点です。熟練した人材の確保と維持は、景気回復期に迅速に立ち上がるための鍵となります。

インフレ再燃が経営の重荷に

一方で、コスト面では懸念材料が浮上しています。最低賃金の大幅な引き上げと、現地通貨リラ安を背景に、原材料などの投入コストの上昇ペースが加速しました。多くの企業はこのコスト増を製品価格に転嫁しており、販売価格の上昇ペースも速まっています。コストプッシュ型のインフレは、ただでさえ弱い需要をさらに冷え込ませるリスクをはらんでいます。コスト上昇分をいかに適切に価格転嫁し、同時に生産性向上によって吸収していくかという、製造業にとって普遍的かつ難しい課題に直面している状況です。

日本の製造業への示唆

今回のトルコの状況は、グローバルに事業を展開する日本の製造業にとって、いくつかの実務的な示唆を与えてくれます。第一に、海外市場の経済指標を定点観測し、サプライチェーン上のリスクや機会を早期に把握することの重要性です。PMIのような先行指標は、現地の事業環境の変化を捉える上で有効なツールとなります。第二に、コスト管理と価格戦略の高度化です。原材料費、人件費、為替変動といった複数の要因が絡み合うコスト上昇圧力は、今後も続くと考えられます。自社の製品・技術の付加価値を顧客に正しく伝え、適切な価格交渉を行う能力がこれまで以上に求められます。最後に、将来を見据えた人材戦略の重要性です。目先の生産計画に一喜一憂するのではなく、数年先を見越してどのようなスキルを持つ人材が必要になるかを考え、計画的に採用・育成を進めることが、持続的な競争力の源泉となるでしょう。

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